入院

DPC(包括評価制度)

Diagnosis Procedure Combination

DPC(包括評価制度)導入について

当院は、令和2年4月1日よりDPC(包括評価制度)の対象病院となります。それに伴い、一般病棟入院患者さんはDPCの計算方法で入院医療費を算定します。

DPCとは
Diagnosis Procedure Combination の略で、「診断病名」と「医療サービス」との組み合わせの分類をもとに1日当たりの包括診療部分の医療費が決められる計算方式です。
 従来の診療項目ごとに計算する「出来高払い」方式とは異なり、入院患者さんの病名や症状をもとに手術などの診療行為の有無に応じて、厚生労働省が定めた診断群分類(約1,440分類)点数に基づき、1日当たりの金額からなる包括評価部分(注射・投薬・処置・入院基本料 等)と出来高評価部分(手術・麻酔・心臓カテーテル/内視鏡検査・リハビリ等)を組み合わせて医療費を計算する日本独自の新しい定額払いの会計方式です。

DPCによる入院費の計算方法について

「入院医療費=包括評価×在院日数×医療機関別係数(*1)+出来高評価」

(*1) 「医療機関別係数」とは、病院の機能に応じて病院ごとに定められる一定の係数です。 この医療機関別係数により、同じ診断 ・治療でも病院によって医療費の総額が異なりますのでご留意ください。

DPCでは、あらかじめ国の定めた1日あたりの「包括評価」と「出来高評価」を組み合わせて計算します。「包括評価」の投薬や注射、画像診断や検査を多くおこなっても1日当たりの医療費は変わりません。手術やリハビリテーションなどについてはこれまで通りの「出来高評価」で医療費が計算され、入院にかかる費用は包括分と出来高分を合わせたものとなります。

DPCに関する Q&A

DPCの経緯は何ですか?
DPC制度は、厚生労働省の医療政策により、平成15年から急性期入院医療を提供する病院を対象とするものとして、医療の標準化と質の向上を目的として大学病院などの特定機能病院等で導入され、これまでに適用病院が順次拡大されてきました。
診断群分類とは何ですか?
診断群分類とは、基礎疾患を手術・処置の有無などの診療行為により、詳細に分類したものです。厚生労働省が全国の病院からの実際の診療データを分析し、それぞれの分類に1日当たりの包括医療費(定額医療費)を設定しています。
DPCになっても診療は今までと同じように受けることができるのでしょうか?
当院での医療および診療方針は今までとまったく変わりありません。令和2年4月1日より変わるのは、入院患者さんの医療費の計算方法が変更になり、厚生労働省により決められた診断群分類に基づく包括評価により医療費が計算されるということです。
入院された方全てが「DPC」対象となるのですか?

令和2年4月1日以降、新たに一般病棟に入院された患者さんがDPCの対象になります。
ただし、例外として以下の場合は今までどおり出来高算定となります。

  • 1. 病名と治療内容から診断群分類に該当しない場合
  • 2. 労災保険、公務災害保険、自賠責保険を利用される場合
  • 3. 自費診療で入院される場合
  • 4. 入院後24時間以内に亡くなられた場合
  • 5. 高度先進医療、治験の対象となる場合
医療費の支払い方法は変わるのですか?
入院中の患者さんには月1回(月末締め)翌月の10日頃、退院される患者さんには退院時に請求させていただきます。支払方法に変更はありません。 ただし、入院後、病状の経過や治療の内容によって入院当初に計画した診断群分類が変更となった場合には、入院時に遡って診断群分類を変更するため請求額が変動することとなります。その際には、退院時等に前月分までのお支払額との差額を調整させていただくことがありますのでご了承ください。
入院医療費の一部負担金額は変わるのですか?
一部負担金額の支払いは、従来とは変わりません。患者さんがご加入されている保険の負担割合に応じて一部負担金をお支払いいただきます。
「出来高計算方式」と「DPCの計算方式」では医療費はどちらが高くなるのですか?
診断群分類(DPC)によって、従来の出来高算定よりも高くなる場合や安くなる場合があります。また、入院日数によっても、1日当たりの医療費が変わる仕組みになっています。DPCでは入院される病名や治療内容、入院日数によって医療費が変わりますので、以前同じ病名で入院されていても、全て出来高算定で計算していた時の医療費とDPCで計算した医療費を単純に比較出来ない場合がありますので、ご了承願います。
診断群分類ごとにDPC方式による算定期間(特定入院期間)が定められており、これを超えた場合には超えた日数分の入院料を出来高払方式で算定します。
高額療養費の扱いはどうなるのですか?
高額療養費の取扱いは今までと変わりありません。
70歳未満の方には、医療費の窓口負担が軽減される「限度額適用認定証」の交付申請をしていただくようお勧めしています。 (窓口での医療費の支払いが高額療養費制度で定める自己負担限度額までとなります。)
食事や特別室(個室)の料金は包括されるのですか?
包括対象外です。DPC方式による入院料とは別に料金をご負担いただきます。
入院中の他医療機関の受診はできますか?

当院入院期間中に、他の医療機関で診療を受けることや、お薬の処方を受ける(ご家族が薬を受け取りに行く場合も含みます)ことは原則としてできません。

  • 例えば
  • 1. 入院中に他病院から処方された薬がなくなった場合
  • 2. 入院中に他の医療機関の受診を希望する場合
  • このような場合は、必ずその都度、看護師又は病棟クラークへ申し出てください。